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実家のこと、何から始めればいい?最初に確認する3つのこと

親が元気なうちに実家のことを考えたい。でも、「まだ住んでいる家を売るの?」と思われそうで、話を切り出せない人もいます。

親が毎日使う場所、1年間に出ていくお金、親の希望と登記名義の3つなら、売るか残すかを決める前でも確認できます。最初から結論を出す必要はありません。分かったことと未確認のことを分けて、次にすることを選びましょう。

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家の状態・年間負担・親の希望と名義から実家の次の行動を選ぶイラスト
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1. 親の生活動線と家の傷みを写真に残す

最初の帰省で家全体を点検する必要はありません。親が毎日通る場所と、外から分かる傷みを写真に残せば十分です。

確かめたいのは、不動産としての価値ではなく、親の暮らしです。玄関から寝室、トイレ、浴室まで歩き、段差、暗い廊下、滑りやすい床、つかまる場所の有無を撮影してください。

消費者庁は、高齢者の転倒・転落が骨折や頭部外傷につながることがあるとして、床や段差、照明などの対策を挙げています(消費者庁「高齢者の事故を防ぐために」)。

気になる場所が見つかったら、親が普段どう通っているかを尋ねてください。急いで直す場所と、次の帰省で再確認する場所を分けられます。

  • 室内:玄関、廊下、階段、寝室、トイレ、浴室
  • 建物:雨漏り跡、外壁、雨どい、窓、給湯器
  • 敷地:庭木、塀、物置、道路、隣地との境界付近
  • 管理:郵便受け、電気・水道、鍵の保管場所

写真は、部屋全体が分かる1枚と、傷みへ近づいた1枚を組みにします。「北側の雨どい・2026年8月」のように場所と撮影月を残すと、半年後に同じ位置から変化を比べられます。

手すりの設置や段差解消は、親の状態や工事内容によって介護保険の住宅改修に該当する場合があります。施工前の申請が必要なので、工事を頼む前にケアマネジャーや自治体へ確認してください(厚生労働省「福祉用具・住宅改修」)。

親が施設へ移るなどして家が空く可能性があるなら、通気・通水、郵便物、庭木も確認項目に含めます。定期的に通うのが難しければ、家が空いた当日から1か月にすることで管理を頼める先と費用を確かめられます。

床が抜けそう、塀が道路側へ傾いている、天井材が落ちそうな場所は、話し合いを待たず人が近づかないようにしてください。それ以外は写真を兄弟姉妹へ送り、直す場所と経過を確かめる場所について話せます。

家の状態を写真へ残せたら、次は「今いくら払っているか」を1年分で確かめます。傷みが少なくても、毎年の負担を続けにくい家はあるからです。

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2. 税金・保険・管理費の年額を出す

実家には、固定資産税のほかにも火災保険、電気・水道、草刈り、修繕、帰省交通費がかかります。すべて1年分にすると、親が住んでいる今と、家が空いた後の負担を比べられます。

まず、固定資産税の納税通知書、火災保険の証券、電気・水道・ガスの明細を集めてください。庭木の手入れや修繕を頼んだことがあれば領収書を足し、実家へ通う人は交通費と年間回数も加えます。

月額の費用は12倍し、1回ごとの費用には年間回数を掛けます。分からない項目は0円にせず「未確認」と残してください。

たとえば、固定資産税7万2,000円、保険2万4,000円、電気・水道が月3,000円、草刈りが2万円で年4回、帰省交通費が1万5,000円で年4回なら、年額は27万2,000円です。給湯器の交換や塀の補修が必要な年もあります。

一覧は「毎年ほぼ同じ」「回数で変わる」「一度だけ」の3列にしてください。固定資産税と保険は毎年、草刈りと帰省は回数で変わり、給湯器の交換や塀の補修は必要になった年だけの支出です。

金額の横には、今払っている人と、家が空いた後に払う人も記入してください。同じ27万2,000円でも、親が払うのか、きょうだいが立て替えるのかで負担は変わります。

これからも同じ人が払えるか、修繕が重なった年はどうするかまで話しておくと、家を残せる期間を考えやすくなります。

国土交通省の調査でも、空き家の維持管理費、管理頻度、所有者が住む場所は家ごとに異なります。全国の金額をそのまま当てはめず、実家の通知書と明細から合計してください(国土交通省「令和6年空き家所有者実態調査」)。

詳しい費目は、空き家の維持費を年額で出す記事で確認できます。年間負担が分かると、「残したい」という希望と、家族が実際に続けられる管理を分けて話せます。

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3. 親の希望と登記名義を分けて聞く

家の写真と年額がそろったら、親の希望を尋ねます。このとき、土地・建物の登記名義とは分けて考えてください。親が住み続けたいという気持ちと、契約や相続で誰が手続きをするのかは、同じ話ではありません。

いきなり「この家を売る?」と聞く必要もありません。今後も住みたいか、入院や施設入居で家を空けるときは誰に管理を頼みたいか、家の書類をどこに置いているかを尋ねます。

答えが一度で決まらなくても、親が嫌がることと、家族に任せたいことは残せます。

聞けた内容は、「今後も住みたい期間」「家を空けたときの連絡先」「残してほしい物」「家の大切な書類の場所」の4項目にしてください。売却や相続の結論が出ていなくても、退院後の帰宅、施設入居、空き家管理のどの場面でも使えます。

兄弟姉妹へ話すときは、1章の写真と2章の年額を先に共有してください。現地確認、支払いの集計、親との会話、書類の保管を分担すれば、遠方の家族も予約や費用負担を引き受けられます。

登記名義は、固定資産税通知書の宛名だけでは確定できません。土地と建物の登記事項証明書で、所有者、共有持分、抵当権の記載を確かめます。地番・家屋番号の調べ方と請求方法は、通知書から登記事項証明書を取る順番で確認できます。

祖父母や亡くなった親の名義のまま、または共有者が分からない場合は、売却や解体を決める前に相続人の範囲を確かめます。相続登記は2024年4月1日から申請が義務化され、過去の相続も対象です。

個別の期限や必要書類は、法務局や司法書士へ確認してください(法務省「相続登記の申請義務化について」)。

親本人が売却などの契約内容を理解し、意思を示すことが難しい場合、子どもだからという理由だけで代わりに契約できるとは限りません。成年後見制度を含む対応は家ごとに異なります。

法務局、司法書士、弁護士などへ状況を伝えて確かめてください(法務省「成年後見制度・成年後見登記制度」)。

3つを確認した後は、まだ分からない項目から次へ進みます。

3つがそろえば、兄弟姉妹との話は「売るか残すか」だけではなくなります。家の写真、1年間の費用、親の希望と登記名義を並べれば、実家で止まっている場所に合う記事を選べます。

参考情報

家の状態、介護保険、空き家管理、登記、相続の扱いは、親の状況や自治体、権利関係によって異なります。個別判断はケアマネジャー、自治体窓口、法務局、司法書士、弁護士などへ確認してください。