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親の家を売る前に確認する5つのこと

親の家を売る方向になっても、片付けや解体を先に契約する必要はありません。名義と手元の書類を確かめ、家の傷みを写真に残し、家族の条件をそろえてから査定を依頼します。

5項目を同じメモにまとめておけば、各社へ同じ条件を伝え、査定額と必要費用を比べられます

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名義・書類・家の状態・家族の条件・査定の比較という、売る前に確認する5つの順番を示した図
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登記事項証明書で名義を確認し、亡くなった親のままなら売却前に相続登記が必要と分かる流れ図

1. 売主になれる人を確認する

最初に確かめたいのは査定額ではなく、誰が売主として動ける状態かです。固定資産税通知書と登記事項証明書を照らし合わせ、土地と建物の名義人を特定してください。親が亡くなっている場合、名義が親のままになっていることも珍しくありません。

親が存命で親名義の実家を売る場合は、親本人が売る・子が代理する・成年後見人等が売る場合の違いを先に確認してください。

登記事項証明書は法務局で取得できます。書面請求は1通600円で、オンライン請求は受取方法によって手数料が変わります(法務局「各種証明書請求手続」)。

土地と建物を別々に確認し、現在の名義人、共有者、抵当権の有無をメモします。固定資産税の納税通知書に書かれた納税義務者だけでは、登記名義を確定できません。

名義が亡くなった親のままなら、売買契約へ進む前に相続登記が必要です。相続登記は2024年4月1日から申請が義務化されました。

原則の申請期限は、不動産を相続で取得したことを知った日から3年以内です。2024年4月1日より前の相続も対象となり、すでに取得を知っていた場合は2027年3月31日が期限です(法務省「相続登記の申請義務化について」)。

遺産分割がまとまらない場合は、相続人申告登記で申請義務を履行できることがあります。ただし、売却には通常の相続登記が必要です。申請期限への対応と、売却できる名義へ移す手続きは別です。

共有者がいる家では、不動産会社との連絡担当、書類を集める人、売却条件を確認する人を決めます。窓口を1人にしても、売却時には共有者の意思確認が必要です。

兄弟姉妹で売却の合意がまだ取れていない場合は、査定依頼へ進む前に、実家の相続を話す5つの議題を使うと、名義、維持費、立替、各人の希望を混ぜずに話せます。

相続税申告や名義変更をまとめて依頼したい場合は、専門家が連携する相談先もあります。相談前に、相続人、財産のおおよその額、不動産の所在地を控えておくと、対象になるサービスか確認しやすくなります。

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相続税申告と名義変更をまとめて依頼したい場合

相続アシストは、東京・神奈川・大阪・京都・兵庫の案件を対象に、税理士・弁護士・司法書士が連携して相続税申告や登記を支援するサービスです。対応地域と依頼内容を先に確認できます。

登記簿の取り方は、納税通知書から登記簿を取る順番で確認できます。相続登記の期限や、遺産分割がまとまらない場合の入口は、相続登記義務化の記事に分けました。

確認するもの:土地と建物の登記事項証明書、固定資産税の納税通知書、相続人の範囲、家族内の連絡担当者
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登記事項証明書は法務局で1通600円、評価証明書は市区町村、公図は法務局と、書類ごとの取得先と費用を示した図

2. 査定で使う資料をそろえる

査定相談の前に、手元にある資料と見つからない資料を分けておきます。土地・建物の面積、名義、修繕履歴が分かれば、不動産会社へ物件の条件を正確に伝えられます。

資料 取得先・費用の目安 確認できること
登記事項証明書 法務局・書面請求は1通600円 名義人、土地・建物の面積、抵当権の有無
固定資産税通知書・課税明細書 毎年春に市区町村から郵送 評価額、所在地、地番、面積の目安
固定資産評価証明書 市区町村・手数料は自治体で異なる 相続登記や売却手続きで使う評価額
公図・地積測量図 法務局・書類と受取方法で異なる 土地の形状、隣地との位置関係
間取り図・購入時資料・リフォーム履歴 自宅で保管されていることが多い 建物の広さ、増改築や修繕の履歴

権利証、購入時の契約書、測量図が見つからない場合は、資料名と「未確認」を一覧に残します。査定相談を遅らせてまで、家中を探し続ける必要はありません。

固定資産税の課税明細書があれば、所在地、地番、家屋番号をたどる手掛かりになります。周辺の取引価格は、国の不動産情報ライブラリで地域と物件種別を指定して調べられます(国土交通省「不動産情報ライブラリ」)。

一覧にするもの:手元にある資料、見つからない資料、法務局・市区町村で取り直す資料
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外観・水回り・天井・庭と境界という、査定前に写真へ残しておく場所を家の図で示したもの

3. 家の状態を写真で残す

古い実家は、築年数だけでは状態を伝えきれません。外観、各部屋、水回り、天井、庭、残置物、前面道路、隣地との境界をスマートフォンで撮影します。

リフォーム、家財処分、解体は査定後に判断できます。先に契約すると、古家付きで売る提案や、家財を残したまま引き渡す提案と合わず、支払った費用を回収できないことがあります。

建物が古く、解体を勧められている場合は、古家付き・更地渡し・更地売却を比べる条件を先に読んでください。解体費だけでなく、売却までの税金と管理費を含めて比べるためです。

家具や生活用品が多く残っている場合は、査定前に片付ける範囲と残置物の伝え方を先に読んでください。処分範囲が決まった後の費用は、自治体回収、家電4品目、民間見積もりを分ける6項目でそろえられます。

雨漏り跡、床の傾き、古い給湯器、庭木、物置など、説明が必要な箇所は全体と接写を1枚ずつ残します。家族と不動産会社が同じ状態を前提に話せる写真が目的です。

撮る場所:外観、玄関、各部屋、水回り、天井、庭、道路、残置物、境界付近。傷みは全体と接写を1枚ずつ
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最低価格・売却期限・残す物・費用負担と連絡担当を、家族で決める条件メモとして並べた図

4. 家族で売却条件を決める

家族間で決めにくいのは、査定額そのものよりも、売る時期、残す物、片付け費用、解体の可否、最低価格です。査定を受ける前に、家族で「何が決まっていて、何が未定か」を分けておきます。

共有名義の家では、売却代金の受取と譲渡所得の申告を持分ごとに確認することになります。費用負担も含め、誰がいくら受け取り、誰がどの資料を保管するかを税務署や税理士へ確認できるようにします。

思い出の品を取りに行く期限、仏壇や庭木の扱い、片付け費用の負担者も書き出します。査定後に決める項目は「未定」とし、誰がいつ判断するかだけ決めます。

条件は言葉と数字で残します。「この価格以上なら売る」「○月までに売りたい」「解体は見積もり後に決める」と書いておけば、各社の提案を同じ物差しで比べられます。

決めること: 最低価格、売却期限、残す物、費用負担、連絡担当者、最終判断する人、代金と税金の分け方
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同じ家でもA社・B社・C社で査定額が変わることを棒グラフで示し、金額だけでなく理由を比べる図

5. 査定は複数社で比べる

同じ家でも、査定額、売り出し方、片付けや解体の扱いは会社によって変わります。各社へ同じ写真と条件を渡すと、査定額の根拠、想定する売却期間、売主が負担する作業を聞き比べられます。

仲介手数料には上限があります。売買価格が400万円を超える場合、税込上限は「(売買価格×3%+6万円)×1.1」で計算できます。

物件価格が800万円以下の「低廉な空家等」では、2024年7月1日から特例が設けられました。原則の上限を超えて、売主または買主の一方から税込33万円まで受領できる場合があります。媒介契約を結ぶ前に、適用の有無と金額を不動産会社へ尋ねてください(国土交通省「不動産取引に関するお知らせ」)。

査定額から差し引かれやすいお金 目安
仲介手数料 (売買価格×3%+6万円)×1.1(400万円超の場合の税込上限)
印紙税・登記費用 売買契約書の印紙、抵当権抹消や住所変更登記など
測量・片付け・解体 境界確定や残置物撤去、古家解体が必要な場合
譲渡所得税 売って利益が出た場合に、所有期間に応じて課税

相続した実家では、「被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例」を適用できる場合があります。一定の要件を満たすと、譲渡所得から最高3,000万円を控除できる制度です。相続人が3人以上の場合は最高2,000万円です。

対象家屋は、原則として昭和56年5月31日以前に建築され、相続直前に亡くなった人以外が住んでいなかった家です。相続後に貸したり住んだりしていないことや、耐震基準、取壊しの時期なども関係します。

売却期限にも要件があります。相続開始から3年を経過する年の12月31日まで、かつ制度上は2027年12月31日までの譲渡が対象です。使える前提で手残りを計算せず、物件と売却時期を税務署または税理士へ伝え、適用できるか確かめてください(国税庁「被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例」)。

最後に、査定額、価格の根拠、売却期間、仲介手数料、測量・片付け・解体の負担を1枚の表へ並べると、会社ごとの差が分かります。金額が高い会社ではなく、条件と説明に納得できる会社を選ぶための比較です。

3社までの回答を同じ表に並べ、査定額から売主負担の費用を引いてください。価格の根拠、売却期間、まだ確認できていない項目も一緒に書くと、家族へ説明しやすくなります。

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査定を頼む会社をまだ決めていない場合は、地域の売却実績、価格根拠、訪問後の対応を比べる5つの基準を使います。査定額から手元に残る金額は、実家を売る費用の記事で項目ごとに整理できます。

まだ売る・管理する・活用するを決めていない場合は、実家の方針を決める前の確認項目へ戻ります。

比較すること:査定額、価格の根拠、売却期間、仲介手数料、測量・片付け・解体の負担、担当者の説明

参考情報

制度や税務は改正されることがあります。個別判断は法務局、税務署、司法書士、税理士、不動産会社へ確認してください。