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管理不全空家とは?親の実家で確認する場所・固定資産税・自治体対応

「管理不全空家等」は、倒れそうな家だけの制度だと思われがちです。実際には、適切に管理されないまま放置すれば、周囲へ大きな影響を及ぼす「特定空家等」になるおそれがある空き家も対象です。

家のどこを点検するか、自治体からの書類へどう返すか、固定資産税へいつ影響するかを順に確かめます。

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管理が行き届かなくなった実家の状態を確認する線画イラスト
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管理不全空家等と特定空家等の違いを確認する線画イラスト

1. 管理不全空家等と特定空家等の違いを知る

築年数だけでは決まりません。家の傷みや管理の状況に加え、道路や隣家など周囲へ及ぼし得る影響も、市区町村の判断材料になります。

法律上の「管理不全空家等」は、適切に管理されておらず、そのまま放置すれば特定空家等になるおそれがある空き家です。2023年の空家法改正で、特定空家等になる前から市区町村が対応できるようになりました。

一方の特定空家等は、倒壊など保安上の危険、衛生上の問題、著しい景観の悪化、周辺の生活環境への影響がある状態です。管理不全空家等より問題が進み、命令や代執行の対象になり得ます。

管理不全空家等に対して法律が定めているのは、所有者への指導と勧告です。国土交通省のガイドラインでは、特定空家等に対する命令や代執行のような措置は、管理不全空家等には規定されていないと説明されています(国土交通省「管理不全空家等・特定空家等ガイドライン」PDF)。

市区町村から連絡が来ていなくても、道路や隣家へ影響しそうな傷みがあれば対応は必要です。まずは道路側と隣地側から、家の変化を安全に確かめてください。

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空き家の屋根、外壁、庭木、郵便受けの傷みを点検する線画イラスト

2. 屋根・外壁・庭木の傷みを確認する

点検の間隔に全国一律の回数はありません。家の傷み、庭木の伸び方、地域の気候に加え、台風や大雪の後に変化がないかを基準に、次の訪問日を決めます。草刈りだけで終えず、建物と敷地を毎回同じ順番で点検すると、前回との差に気づきやすくなります。

  • 屋根・外壁・雨どい:ずれ、剥がれ、ひび、外れ、落下しそうな部材
  • 庭木・塀・境界:道路や隣地へ出た枝、落ち葉、塀の傾き、排水の詰まり
  • 窓・玄関・郵便受け:施錠、割れ、侵入の跡、たまった郵便物やごみ
  • 室内・水回り:雨漏り、カビ、異臭、漏水、害虫の跡

写真は「道路側」「北側境界」「台所の床」のように場所を分け、撮影日が残る形で保存しておくと便利です。次回も同じ位置から撮れば、枝、ひび、傾きが進んでいるかを遠方の家族とも比べられます。

高い屋根や傾いた塀へ近づく必要はありません。地上から確認できない場所や、補修が必要か判断できない場所は、写真を添えて管理業者や修繕業者へ現地確認の範囲を尋ねてください。

国土交通省も、点検や補修に自信がない場合や、遠方で自分による管理が難しい場合は、空き家管理業者や修繕業者の利用を案内しています(国土交通省「空き家の管理のやり方」)。

鍵、郵便、水道、電気をまだ確認していない場合は、実家が空き家になった当日から1か月に行うことへ戻れます。定期点検ができている家でも、指導と勧告の違いを知っておくと、自治体から書類が届いたときに慌てずに済みます。

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自治体の指導と勧告、固定資産税への影響を確認する線画イラスト

3. 勧告を受けると住宅用地特例から外れる

自治体からの連絡と、住宅用地特例から外れる段階は同じではありません。管理不全空家等では、市区町村がまず必要な管理を指導し、それでも改善せず、特定空家等になるおそれが大きい場合に具体的な措置を勧告できます。

住宅用地特例から外れるのは、管理不全空家等として勧告を受けた敷地です。指導の段階と勧告の段階を混同せず、届いた書類に「指導」「勧告」のどちらが書かれているかを確かめてください。

住宅用地特例では、住宅用地のうち200平方メートル以下の部分について、固定資産税の課税標準が6分の1になります。200平方メートルを超える部分は3分の1です。勧告を受けると、この軽減の対象から外れます(国土交通省「空家法とは」)。

6分の1になるのは税額そのものではなく、税額を計算する基礎となる課税標準です。都市計画税、負担調整措置、土地の評価なども関係するため、実際の納税額が一律6倍になるとは限りません。

税額への影響は、固定資産税の納税通知書と自治体からの書類を手元に置き、市区町村の固定資産税担当へ確認できます。年間の維持費と比べる場合は、税金・保険・交通費を12か月分で出す方法が使えます。

通知の種類と、自治体が直してほしい場所が分かれば、修繕業者へ頼む範囲や、固定資産税担当へ尋ねる内容を具体的にできます。

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自治体から届いた書類と実家の写真を家族で確認する線画イラスト

4. 自治体から書類が届いたら、期限と直す場所を確認する

工事を決める前に、書類が情報提供、助言、指導、勧告のどれに当たるかを確かめます。封筒が届いたというだけでは、求められている対応も税金への影響も決まりません。

  • 書類の位置づけ:情報提供、助言、指導、勧告のどれか
  • 対象と理由:どの家の、どの場所を、自治体がどのような状態と判断したか
  • 求める措置:修繕、枝の伐採、侵入防止、ごみや排水への対応など
  • 連絡情報:通知日、文書番号、回答期限、担当部署、担当者名

現地の写真があれば、書類で指摘された場所と照らし合わせます。見積もりや工事が回答期限に間に合わないときは、放置せず、現地確認日、見積もり予定日、作業できる見込みを担当部署へ伝えてください。

改善作業が終わった後は、作業前後の写真、領収書や作業報告書を残してください。自治体へ完了を知らせる方法も担当部署へ尋ねます。勧告の場合、国のガイドラインは、必要な措置を行ったら遅滞なく責任者へ報告するよう示すこととしています。

一度の草刈りや片付けで終わるとは限りません。屋根の補修後も庭木や排水の管理が途切れれば、別の箇所が再び問題になるため、自治体への報告と次回の見回り日を分けて残しておくと安心です。

通知の宛名と登記上の名義人が違う、相続人が複数いるという場合も、現地の危険への対応まで止める必要はありません。自治体への回答と並行して、土地と建物の名義を確かめる順番を進められます。

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実家の管理を続けるか売却へ進むか家族で話す線画イラスト

5. 管理を続けるか、売却まで進めるか家族で決める

補修が必要な場所と年間の負担を把握できたら、来年も家を残す理由を家族で確かめます。残すこと自体が問題なのではなく、点検する人、修繕費、次に判断し直す日が決まらないまま管理が途切れることを避けます。

  • 家族で管理する:点検する人、訪問間隔、修繕費、台風後の確認担当を決める
  • 管理を委託する:作業範囲、写真報告、緊急時の連絡、追加料金を比べる
  • 売却する:所有者と家族の意思を確かめ、家財や傷みを隠さず現状で査定を受ける
  • 解体も比べる:先に工事を契約せず、古家付き売却と解体後の費用を分けて聞く

親や家族が使う予定があり、管理担当と予算を確保できるなら、売却を急ぐ必要はありません。遠方の実家を管理する計画で、訪問と委託の分担を決められます。

戻る人がおらず、修繕と管理を続ける人も決められないなら、売却を含めて家を手放す方法を比べる段階です。自治体への回答は続けながら、家族の方針と名義を確かめます。

補修や解体は先に契約しなくても構いません。申し込み前に、土地と建物の名義、実家の鍵、訪問査定に立ち会える日を確認し、現在の傷み、自治体から届いた書類、家財の量を不動産会社へ伝えられるようにしておきます。

持ち家売却の申込フォームでは、表示された不動産会社から査定を頼む会社を最大5社まで選べます。選んだ会社へ物件情報と連絡先が共有され、各社からメールまたは電話で連絡があります。申し込みと査定依頼に利用料はかからず、査定後にその会社へ売却を依頼する義務もありません。

連絡しやすい時間やメール希望は書けますが、希望どおりになるとは限りません。複数社との連絡に対応でき、申し込み後10日以内に本人確認と日程調整、30日以内に訪問査定を受けられる時期に利用してください(持ち家売却公式)。

売ると決まった後の名義・家財・査定準備は、実家を売る前に確かめる5項目で順番を確認できます。

参考情報

空き家の判断基準や手続きは、地域や家の状態によって異なります。個別の判断は実家のある市区町村、固定資産税担当、法務局、修繕業者、不動産会社へ確認してください。